アベノミクスが失敗だとか、年金運用が大損をしているとか、うまい見出して引き寄せます。
キャッチーなコピーで引き寄せないとならないし、販売部数にも結びつくのでしょうから、それはそれで仕方のない話。
でも、こういうのは両者の言い分なり、両者の数字の出し方を検証しないと、公平な見方ができないし、変な方向に誘導されてしまっては、人生を損してしまいます。
うまいですよね、本当にうまい。
確かに6兆円吹っ飛んでいる試算は出ているようだし、GPIFの意図がわからないからハッキリしたことは言えないものの、年金大損隠しと言われても仕方がない部分はあるのかも?
別にタブロイド紙にムキになって反論しても意味は無いし、知っている人から「タブロイド紙の記事にムキになってる!」と笑われるだけだから、反論ではなく検証ですので。
国対委員長代理の山井和則衆院議員事務所が日経平均株価をもとに運用見通しを試算した。それによると、15年3月末に1万9207円(終値)だった株価は、31日は1万6759円で、約2450円(12.7%)も下落した。国内債券や外国株式・債権などの運用実績は含んでいないものの、過去の状況から見て、15年度は約6.3兆円の損失が出ている可能性がある
この試算自体はこのまま使うことにしましょう。
どういう試算なのかは分かりませんが、それなりの試算をしたという前提で進めてみましょう。
確かに6.3兆円となればデカイ!これは間違いのない事実。
我々の生活レベルから考えれば、天文学的数字!!
生涯年収だってこれだけの金額を稼ぎだすことは無理なのでしょう。
しかし、年金運用額をご存知?2015年度第3四半期末現在で139兆249億円となっています。
これは年金積立金管理運用独立行政法人のHPに出ています。
嘘の数字を発表していたのならば、ダマされることになりますが、信じるしかないので、こちらの数字を信じていきましょう。
すると運用資金139兆249億円の中で6.3兆円となれば、約4.53%となります。
6.3兆円÷139兆249億円×100=約4.53%
消費税より低い数字……。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は運用開始を平成13年としておりますので、そこから収益がどのくらい出ているのか?というのも上記のグラフには出ております。(GPIF発表のPDFファイルはこちら)
ピークから見れば確かに運用は悪化しています。それを黙って容認しろということではなく、総合的に身て判断しても良いのではないか?と思う次第。
元本割れをしているだとか、もう資金が枯渇しているということではなく、昨年のピークから4.53%の運用悪化だということを理解してから、ハッパをかけるということが必要なのではないでしょうか?
別に自民党を支持しているわけでもなく、アベノミクスが成功だとか失敗だとか、そんなことはどうでもいいから、世の中の景気を良くしてくれって話なのですが、訳の分からない【点】だけで物事を捉える恐ろしさっていうのをご理解頂ければ。
タブロイド紙といえども新聞記事として出しているのですから、間違った情報を伝えてはいないでしょう。しかし、読み手が勝手に誤解するような書き方にはなっていると思います。
事実を事実として伝えているだけですから、悪意はあっても悪いことをしちゃいない。
いい悪いではないのでしょうが、変な誤解をさせられないようにしないとならないというだけの話。
これだけ情報が溢れかえっている時代ですから、流されている情報をそのまま鵜呑みせず、自分のフィルターにかけてすべてのことを考えることが必要なんでしょう。