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マイナス金利という金融政策は、受け取り側次第で化ける可能性あり!

マイナス金利という金融政策は、受け取り側次第で化ける可能性あり!

日銀がマイナス金利を導入してきました。
「マイナス金利」というインパクトのある言葉で、市場は半ば混乱しましたが、最終的にドル高円安、日経平均株高と言う状態で終了。

ところで「マイナス金利」というモノはどんなモノなのか?ということが第一に頭の中に浮かんできます。
言葉だけを聞けば「これまではお金を預けていれば金利を貰えたけど、今後は金利を取られる?」というイメージになったり、「お金を借りたら金利を払わずに、金利が貰える?」というように都合の良い解釈もできるわけ(笑)。
しかし、世の中そんなに甘くない……。

下落チャート

今回の日銀の金融政策の中での「マイナス金利」は、民間金融機関が日銀の当座に預ける一部の資金についてマイナス金利になるというモノ。
だから、末端の消費者には何ら関係のない話。

今回の「マイナス金利」を簡単に言い換えてしまうと、「ある一部の資金に関しては、預かり金0.1%の口座手数料を頂戴します」って感じモノ。

我々の生活レベルでいうと、「現在の残高には口座手数料を徴収しないけど、今後、一定残高以上の預金をすると0.1%の管理手数料を頂戴します」って話。

口座管理手数料が取られるとなれば、あなたならどうします?
ただし、「他の銀行に資金を移動する」という選択肢はありません。民間金融機関は日銀にしか預けられませんので、金融機関を変えるという選択肢はなし。
「口座手数料を取られるのならば、欲しかったけど我慢していたものを買おうかな?」となりませんか?もしくは、「ちょっと贅沢して、旅行にでも行こうかなぁ」となりませんか?

民間金融機関にしても、口座管理手数料を取られるのならば、「貸出金を増やそう」だとか「投資案件を増やそう」だとか、「多少のリスクを取ろう!」とお金を貯め込むことをせず、市場にお金を流出する行為に出るはず!というのが、日銀の思惑なのでしょう。

しかし、新たにリスクを取るとなると、リスクを取ってリスクに見合うリターンが見込めなければなりません。リスクを取るだけのモノが今の日本経済に存在するのか?という話。
「0.1%の金利を取られるより新たなリスクを取るのは危険」と判断すれば、新たにリスクを取ることはせず、現状の何かを「値上げ」し、消費者に負担を求める行為になるのかもしれません。

0.1%の金利負担がどの程度の金額になるのか?民間金融機関によって違ってくるのでしょうが、黙って0.1%の金利を徴収されていたのでは収益が確実に減ります。それを穴埋めする行為に出てくる筈。
消費者から預かる資金に対して支払う金利を引き下げるとか、何らかの手数料を徴収するとか、貸出金利の引き上げだとか、何らかの行為には出てくると思われます。

これらを受けての消費者の行動はどうなるのか?最終的に「タンス預金」に走ってしまうのではないでしょうか?銀行を使わなくても良いような決済方法を考えだし、すべてがタンス預金。
これは極端にしても、最低限のことでしか銀行を利用しなくなる。

お金

マイナス金利によって、住宅ローンの金利が下げられるというようなことが言われていますが、どうなんでしょうかね?銀行の舵取り次第では、金利の引き上げということになるのかもしれません。
金利を引き下げて体力勝負で貸し出しを増やし、リスクをレッドゾーンにまで取り続けるか?
それとも、金利を引き上げて、新規の貸し出しを減らし、安全な貸出先にしか貸し出さないか?
これは誰にも分かることではありません。
そのときの市場の雰囲気で決まってくるのでしょう。不動産市場がHOTな状態になるのならば、リスクを取って貸し出しても採算があうのでしょうが、これ以上金利を下げて、果たして採算があうのか?

「マイナス金利」という金融政策は、始まったばかりです。良いとか悪いとか好き勝手なことを言っていますが、日銀はできる限りの最善の手段を講じたということだけ。この政策を良くするも悪くするも、投げかけられた受け取り側の利用の仕方だけなのでしょう。

そして日本経済が求めているのは、金融政策ではなく構造改革なのだということは、間違いなく言えることなのだと思われます。

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