ファンダメンタルか?テクニカルか?

 

あなたは相場・マーケットでポジションを取るとき、大雑把な言い方になるのかもしれませんが、ファンダメンタル分析をするか?もしくはテクニカル分析をするか?どちらかでのアプローチをしていると思います。
時折、「直感!」だとか「その瞬間の雰囲気!」と言う方もいらっしゃるかもしれませんが、直感とか雰囲気だけからアプローチをされる方は、天才型だと思います。こんなことを言ってしまうと身も蓋もないことになりますが、凡人の私にできる芸当ではありません。個人的には直感ほど当てにならないものはないと思っておりますし、その場の雰囲気を読んだりもしますが、なかなかどうして確率からすれば、決してオススメのできるモノではありません。

もちろん、相場に長く接していれば、年に数回は直感が働くことがありますが、年に数回の割合に賭けるほどバカじゃありません。天底を当てるゲームではなく、値幅を獲るゲームなのであるの中でも申し上げたように、利益を上げるために相場・マーケットに参加しているのであって、快楽を得るために相場・マーケットに参加をしているわけはありません。直感に頼って相場・マーケットに参加し続けていると、次もまた直感に頼らざるを得なくなります。そして、天才でもない限り、最後には酷い目にあってしまうことでしょう。

先に申し上げておきますが、私はテクニカル派です。ファンダメンタルを毛嫌いとまでは言いませんが、まったくと言ってよいほど信用していません。理由は2つあり、1つ目が確認の取りようがないということ。本当なのかどうか?そして、どのくらいのインパクトがあるのか?その辺のことがさっぱり変わらないので信用していません。

そもそもファンダメンタルというのは、これまでの経験上非常に難しいのです。相場・マーケットに反映されるような要人発言など、いつ発言されるか分かりませんし、昨日まで強気の材料であったモノが、今日からは弱気の材料になったりすることもしばしば。しかも、忘れた頃に古い材料が時間を置いて材料視されたり、目ぼしい材料がないときには、取ってつけたような材料が並んでいることを見せつけられると、ファンダメンタルの難しさを実感します。

グリーンアーミー

「そんなことはない!ファンダメンタルはすごい!」とおっしゃる方もいらっしゃると思います。相場・マーケットにおいてアプローチの仕方は自由ですから、私はファンダメンタルを否定するつもりはありません。否定はしませんが、ある時、為替が動いていたのです。「突発なことでもあったのかな?」と、材料を探すとコメントには「NY原油の下げに反応した」とありました。そこで「NY原油に何か突発的な材料でもあったのか?」となり、NY原油のコメントを探すと、「NY原油は反落、ドル安に反応」となっていました。
まとめてしまうと、為替はNY原油に反応し、NY原油は為替に反応したというコメント……分かったようでさっぱり分からないコメントでした。こんな経験をしてしまうと、信用しろということに無理が出てきます。

2つ目の信用出来ない理由は、逃げ(手仕舞い)場所が分からないことです。利喰いならば適当なところでも良いのかも知れませんが、ロスカットは何処で行うのか?全く明確ではありません。この明確ではないことが個人的にはどうしても許せないのです。相場は利益をコントロールするより損失をコントロールすべきであると考えているだけに、損失をコントロールできないファンダメンタルで相場を張るということができないのです。
相場・マーケットで仕込んでみると分かりますが、入口はひとつでも出口は「利喰い」と「損切り」の2つが存在しています。2つのうちのひとつの出口「損切り」を曖昧にさせられてしまうのですから非常に怖いのです。

では、テクニカルってどうなんでしょう?ファンダメンタル派の方に言わせると、「過去のことをグラフにしても過去のことしか分からず、未来のことなど分かるはずがない」となるようです。
おっしゃることはごもっともであり、過去のことしか分かるものではありません。ですが、未来が分からないのは、テクニカル分析であろうとファンダメンタル分析であろうと一緒のはず。未来が分かる人などというのは、特殊能力のある方や占い師だけでしょうから。

一つだけテクニカルで言えることは、ファンダメンタルの材料もすべて織り込んだものが価格に現れており、それをグラフにしたモノであるということです。テクニカル分析をしていれば、ファンダメンタル分析もやっているということになるわけです。
都合の良い解釈かも知れませんが、同じ材料を知っても、買い方が存在すれば売り方も出てきます。それらの意見を数値化したモノが価格であり、その価格をグラフにしたモノがチャートとなるわけです。

ただ、テクニカル重視だとは言っても、ファンダメンタルを一切無視しているわけではありません。相場・マーケットの大底や大天井では、何らかの大きな出来事が必ずと言ってよいほど起きています。
その大きな出来事を覚えているわけですから、ファンダメンタルを一切無視しているわけではありませんし、セミナーや勉強会などでお話しをさせて貰うときには評論家気取りでファンダメンタルを織り込みながら語りますから、知らないわけではありません。ファンダメンタルを材料に、売り買いをしようとは思っていないということです。

一方でテクニカルだと先ほどと重複してしまうところがありますが、踏ん張りどころが明確であり、手仕舞うところも明確。損をどの程度覚悟しながら利益を追求できるか?という勝負になってくるわけです。
背負えるリスクの範疇を越えているのならば、シグナルが出ていても参加しなければよいし、流れを他人に作ってもらい、その流れに乗るだけですから、比較的安易に参加ができます。
もちろん、騙しは存在します。しかし、騙しばかりとなればそればチャート分析が甘いという話になり、的確なチャート分析を行っていないということですから、検証方法を変えてアプローチ方法に変化を持たせて参加すればよいだけのこととなります。

ファンダメンタル分析は先程も申し上げたように、損切りをする地点が明確ではなく、資金が続く限り、または精神的に我慢ができる限り突っ張るしかないように思っています。それが「相場を張るということ」ならばそれで良いのでしょうが、それは相場を張っているのではなく、意地を張っている行為だと思われ、方向性が「利益を得る」ために行っているとは思えず、意地の張り合いになっているように感じてしまうのです。

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