天底を当てるゲームではなく、値幅を獲るゲームなのである。

まずは、相場・マーケットというゲームの本質を理解しておきましょう。

本質を理解しないと、何処に向かって相場・マーケットをやっているのかが分からなくなってしまいます。

これから相場・マーケットに参加される方は、あまりピン!とこないことかも知れませんが、相場・マーケットと言うモノは、天底を当てるゲームではなく、値幅を獲るゲームなのです。

相場・マーケットに参加されたことのある方は、経験があると思いますが、人はどうしても天井を売りたいですし、大底を買いたいという希望・願望を持ち合わせています。ですが、天底を当てても、それに対して利益が生まれるわけではありません。

天底を当てて他人に自慢をしたいから相場に参加しているのならば別ですが、利益をあげることを主眼をおいて相場・マーケットに参加しているのならば、天底を当てに行かないほうが無難。
天底を当てて大きな利益を得ている人をあまり見たことがありません。

勘違いをして欲しくないのですが、天底を当てに行く人というのは、天井近辺を売ろうとするのではなく天井を売ろうとし、底近辺を買おうとするのではなく底を買おうとすることです。
天底を狙っている人の殆どは、結果的に天井を売ろうとして天井を買ってしまい、底を買おうとして底を売ってしまう結果になるのです。不思議ですが、このパターンが非常に多いのです。

「何故このようなパターンが多くなってしまうのか?」はっきりとした理由は人それぞれでしょうが、天井を売ってそこを買うという行為は、気持ちがいいんです。相場・マーケットを支配したような気分になり、気分的に優位に立て有頂天になれるのです。しかしこうした行為は、「天底を売り買いするゲームではない」ということを心底理解していないのかもしれません。だから天井を買って底を売ってしまう結果に……。

こういう方々がいないと、相場は天底をつけられませんから貴重な存在だと言えなくはないのですが、この本を御覧頂いて下さっているあなたには、相場・マーケットの肥やしになって欲しくないわけです。

この「天底を当てるゲームではない!」と言うことは、常に頭の中心に置いておいて貰いたいモノなのです。三度の飯は忘れても、相場をやるならば忘れてはならないことが「天底を当てるゲームではない!」と言うこと。そして「値幅を獲るゲーム」なのだと言うことを。

チャートとお金

しかし、このことは何度反復しても、忘れてしまいがちです。忘れてしまうというよりも、相場が忘れさせると言った方が適切なのかもしれません。天井を売って大底を買うという快楽に心が流されてしまう・踊らされてしまうというと適切なのかもしれません。

値動きというモノは非常に厄介でして、誰だって人より1円でも安く買いたいし、逆に1円でも高く売りたいわけですが、この心理をうまく突いてくるのです。

「頭と尻尾は人にくれてやれ」という格言がありますが、このくらいの余裕を持って相場・マーケットには参加してもらいたいものです。この余裕が相場の流れを掴むひとつのコツになるのではないかと思っています。
相場・マーケットの値動きに踊らされていたのでは、利益をあげるのは難しくなります。

極端過ぎるのかもしれませんが、「天井を買って底を売り叩く」くらいの気持ちで、流れに沿って行ったほうが、相場全体を俯瞰して考えられ、好結果を生むことが多くなると思います。

ここで仕掛けるときに思っていること思い出して貰いたいのです。仕掛けるときには「上抜けしたチャートだから、調整分の倍返しを狙う!」とか、ある程度の値幅を獲ることを想定していると思います。そのある程度の値幅の1割や2割を削ったところで、利益に変わりはないのですが、いざ仕掛ける段階になると、目先の1円に拘るのが人の性。この1円に拘る大きな理由が存在するのならば、とことん拘って貰って良いと思うのですが、大抵の場合は「1円でも安く買いたいから」という己の欲求を満足させるためだけ。己の欲求を満たすために相場・マーケットに参加をしているのならば仕方がありませんが、たぶん、利益の追求だと思っています。

己の欲求を満足させるために相場をやっているのならば、それはそれで否定することなできませんが、相場・マーケットに参加する理由が、利益の追求ならば、1円でも安く買いたいという欲求は金銭欲というより支配欲、もしくは一時の快楽に近いのでしょう。

相場・マーケットを支配しようとする支配欲と金銭欲を同時に得ることは難しく、たいていの場合、相反する動きになっています。どちらかを捨てた方が無難だと思いますよ。二兎追うものは一兎をも得ずと昔から言いますから。

自分の思ったところまで相場が下がれば買い拾い、そして、自分が思ったところまで相場が上昇し、上昇し切ったところで利を入れると言うことを目指しているのかも知れませんが、自分が思った値段など相場・マーケットにとっては知ったことではないと言うことなのです。
自分が勝手に思っていることを相場・マーケットに押し付けても、押し売りと変わりがありません。相場・マーケットにとっては迷惑な話でしょうし、相場・マーケットから見たときにはトレーダー目線、トレーダーのひとりよがりに映るでしょうし、ひどい言葉で表現するならば、わがまま極まりない発想だという状態に映るのでしょう。

あなたは他人に意見を押し付けられたらどうですか?全くの他人から意見を押し付けられたら嫌悪感を抱きませんか?ならば、相場・マーケットに自分の意見を押し付けても、相場・マーケットには嫌われるだけだと思いますよ。

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