理想と現実のギャップというのは、身近なところにあるわけで、夢だって現実を目の当たりにしてしまうと儚く崩れてしまうことだってあるのです。
何せ、人の夢と書いて「儚い」と読むのですから。
貯蓄をするとか、住宅ローンを組むとか、今のままではちょっとキツいけれども、支出を減らしたり収入を増やせばできると考える方は多いです。
現在の支出から少しでも支出を減らせたならば、減らした分だけ貯蓄に回せる。これは小学校で習う足し算や引き算で理解できます。
「妻がパートに出ます」となれば、当然世帯収入が増える。これも小学校で習う算数で理解が出来ます。
すべて小学校で習う算数でハッピーになるのです!
計算上では……俗に言われる机上の空論では。
今の支出を減らす場合、自分一人が頑張ればなんとなるということならば、なんとかなるかもしれません。我慢をしたり、細かい支出を見直したり、固定費の削減に動いたりとできることはありますが、自分一人では出来ない場合には、家族の協力が必要なのです。
家族の協力なしに支出の削減というのは結構難しいモノ。協力を得られないときには、現実のギャップに……
「妻がパートに出ます」とか、家計相談のときに申し出をされる方が多くいらっしゃいますが、奥さまのパート代が期待できるまでの収入となりますか?まずはそこです。
そして、家事とパートの2つをこなす奥さまの苦労を理解できますか?理解できるのならば、家事の分担をしなければならないでしょうし、理解が出来ないのならば、奥さまがパートに出ても、額面上の世帯収入は増えても、増えた世帯収入にともなって支出も増えて何も変わらないということになりかねません。
もちろん、日本経済の貢献にはなりますが、貯蓄には貢献できません。
家事の分担をしなければ、家事をこれまでと同じようにこなすことは難しくなり、惣菜を買ってしまったり店屋物で済ませてしまったり……。奥さまだって外出が多くなれば、支出が増えるのは当然の結果。
収入は増えても、あたりまえのように支出も増えるということを理解しないとならないのでしょう。
こんなはずではなかった……となるのは、机上の空論で数字を動かし、なんとかなると判断したとき。理想と現実ギャップを目の当たりにさせられてしまう前に、出来るかどうか?の決断を下さないとならないのでしょう。
決断を下すのは、あなただけではありません。ロボットのように動ければ別ですが、人間には感情が備わっておりますので、家族の協力が得られないと、ギャップを埋めることが難しくなります。